なんとも凄まじいほどのメンバーである。
b; Paul Chambers
pf; Bill Evans
drs; Roy Haynes
というリズムセクションに、
tr; Freddie Hubbard
as,fl; Eric Dolphy
ts; Oliver Nelson
bs; George Barrow
という4管が乗っかる。
オリバー・ネルソンは作曲家・アレンジャーとしても名を馳せており、
このアルバムは、全曲ジャズアンサンブルのスタンダードとなっている
といっても過言ではない。
1曲目のStolen Momentsや2曲目のHoe-Downなどは
よくRemixされ、街中で耳にすることも多い。
当時新進気鋭のトランペッターだったフレディ・ハバードを迎え、
エリック・ドルフィーをアルトに起用している。
フレディ・ハバードは70年台、ハービー・ハンコックやロン・カーター、
ウェイン・ショーターらとVSOPを結成し、数々の名盤を残す。
ここでの演奏も非常にホットでエネルギッシュだ。
ドルフィーも後年のアバンギャルドさを抑え気味に、
跳ねてはいるものの抑制された良いソロをひねり出している。
バスクラリネットではなくアルトサックスというところも聴きどころだろう。
また、アンサンブルアレンジのラインにはクールの影響が残っているが、
オリジナルの発表は1961年だから既に時代はクールではなかった。
エポックメイキングな名盤 "Kind of Blue" がでて、既に2年余りが過ぎており
世の中はモードになっていたはずだ。
そのため、このアルバムも全体の雰囲気は50年代後半以降のマイルス風だ。
もっとも、ポール・チェンバースとビル・エヴァンズというラインナップを見ても
"Kind of Blue" のマイルスバンドを強く意識しているのは明白なのだが。
ロイ・へインズに関して言えば、リズムに徹してはいるが、
要所要所がきらりと光り、まさに職人芸だ。
それに比べてジョージ・バーロウの地味なこと。
ジャケットに名前すら挙げられず、
アンサンブルでやっと存在がわかるという状況である。
これで良いのか?というほどの待遇の差だ。
もう一人忘れちゃいけない。
明らかに変なのが、ビルエヴァンズだ。
もちろん、いい意味の"変"なのだが、
溶け込むようなコードでバックを固めているかと思うと
ひやりとするような合いの手を入れてみたりする。
この瞬間はまさに"Kind of Blue"や自身の即興によるソロ "Peace" の Bill Evans である。
ともあれ、震えるほどの力強さ・熱さとユーモア感覚を持った演奏の中に、
凍えるほどの孤独を感じるところが、この作品の魅力、であろうか。

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